« NO.066 茂市久美子『つるばら村のくるみさん』(講談社) | トップページ | NO.068 高橋克彦『写楽殺人事件』(講談社文庫) »

2004.02.22

NO.067 城山三郎『価格破壊』(角川文庫)


livedoorBOOKSで購入
楽天ブックスで購入
Amazonで購入
ISBN: 4041310067

 この本は、ジャンルとしては経済小説である。読み進めていくと、ある企業の成長過程を思い描いてしまう。
 主人公・矢口はフィリピンで九死に一生を得て、戦場から帰還したという体験の持ち主である。戦場での体験が彼の人生観の根底に流れている。
 勤めていた会社を辞め、彼は安売りのクスリ屋を始める。「再販制度」という壁に立ち向かい、モノの値段は売る側に決める権利があり、全ての人が安くモノを買う権利があるのだという彼の店は、メーカーの圧力にも負けず、店舗数を伸ばしていく。そして、薬だけでは行き詰ると感じた彼は、化粧品、食品にまで取り扱い品目を増やし、そして、総合スーパーを誕生させた。
 読んでいて驚嘆を覚えるのは、彼の人生哲学ともいうべき、「回転していないとモノは腐る」という持論。それが根底にあるからこそ、彼のスーパー「アロー」は急激な成長を遂げていくのも分かる。そして、販売力を背景に「価格破壊」を実行する力も手に入れる。
 ただ、この「価格破壊」には底があると思うのはわたしだけだろうか? モノの値段は安くなっても、それがゼロになるということは絶対にありえない。安くなっても、絶対に限界があるはずだ。その限界に達した時、価格破壊はどこに行くのか?


価格破壊のその後はどうなるのだろう?

|

« NO.066 茂市久美子『つるばら村のくるみさん』(講談社) | トップページ | NO.068 高橋克彦『写楽殺人事件』(講談社文庫) »

「小説」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/42208/1340419

この記事へのトラックバック一覧です: NO.067 城山三郎『価格破壊』(角川文庫):

« NO.066 茂市久美子『つるばら村のくるみさん』(講談社) | トップページ | NO.068 高橋克彦『写楽殺人事件』(講談社文庫) »